より難しいマルチタスクが皿回しだ。
なぜならば、全体のバランスを見ながら個々の皿の回転時間を予測し、落下という最悪の事態になる前に回転を復活させ、全体を安定稼動させなければならない。
落ちそうな皿があってもぎりぎりまで手をいれない方が、他のタスクを処理できるので、効率が良い。リスクを取りすぎて、小刻みに回し続けると、同時に回せる枚数が少なくなってしまう。
仕事と同じで、今後の流れを読み予測を立て、優先順位を決めて処理していく必要がある。優先順位が加味される場合、それぞれの皿の価値が考慮されると考えてよい。
経験が深くなればなるほど皿の回転時間に対する予測が正確になり、どの皿を大切にしなければならないかを考えながら、できるだけ多くの皿を回していくことが「仕事のできる人」である。ビジネスパーソンと皿回し芸人の異なる点は、優先度の低い皿は割っても良いところかもしれない。皿回し芸人の場合、1枚でも割ると一気にそのパフォーマンスの価値が下がるが、仕事の場合、上手に無視してしまう、またはリターンが少ない仕事は捨ててしまうということも必要である。「知恵を絞って捨てること」は戦略であるので、これも「仕事のできる人」にとっては重要なスキルである。目先のことに追われて、大切な仕事をやり残しては、ローパフォーマーになりかねない。
ときどき、いくつもの仕事が立て込んで、余裕なくぎりぎりの状態にあるとき「皿回し状態」と表現するが、なんとか回せているのであれば「仕事ができる」ことの置き換えでもある。
マルチタスクと優先順位、ビジネスパーソンにとって重要ですね。
P.S. 「脳のトレーニング」で聖徳太子というゲームがあり、同時に複数の会話が流れて、それを聞き取るゲームですが、意味があるのかなあといつも思っています。効果はあるのでしょうか?