「グローバルイニシアチブ」 – 美しい国、第一次安部首相 –

 安倍首相、ぜひ「美しい国」のために頑張って欲しい。と書いていたら、突然の辞任。今回のコラムを大幅に書き換える羽目になってしまった。

 安部首相の優位性はどこか?私は顔だと思う。歴代首相のなかで、ダントツではないかと思っていたら、「ありえない!」と強烈に反論されました。主観の問題なので、皆さん色々なご意見をお持ちだとは思いますが、海外メディアに露出する顔として愚鈍に映っては日本のイメージとしてよろしくない。キリリとしまった整った顔は必要と評価していたのに。ケネディもクリントンもパパブッシュも格好良かった。フランスのシラク大統領もしかり。アジアではマハティールなんか、小国なのにしっかりした目線と強力なリーダーシップがあった。

 最近では、閣僚の不祥事で、曇りがちな表情がさえず、朝青龍よりも安部さんの方がよっぽど鬱の手前ではないかと心配していた矢先である。

 せっかく「美しい国」というキーワードを持ち出したのだから、環境問題をもっとアピールしていって欲しかった。中国は、経済成長と国力で世界の主要国の地位を狙ったが、環境問題やチャイナフリー問題で早くも失墜しています。

 ドイツのメルケル首相は、明確にアメリカの協力を呼びかけているし、オーストラリアのハワード首相はグリーン問題についていち早く予算化し、インドネシアなど他国の緑まで保護しているではないか。

 さきほどアメリカのテレビを見ていたら、APECのニュースが流れ、ハワード首相がブッシュ大統領にグリーン問題を呼びかけていた。そもそもアジア圏にブッシュが乗り込んでくるのも余計なお世話という感があるが、彼らは世界の全ての分野においてリーダーシップを取ろうとしてくる。それが彼らの自然な行動規範、コンピテンシーなのだろう。

 日本の首相は、国内政治問題の恐ろしく低いレベルのパワーゲームにエネルギーと知恵を使わず、今こそ環境問題を世界に主張し、リーダーシップを取って欲しい。異常気象の連続で、環境に対する問題意識は高まっているし、なによりも日本には「京都」というブランドと「京都議定書」という印籠がある。それに批准しないアメリカに強く主張できるはずだ。アメリカのご都合主義を打破する良い機会である。

 アメリカ文化は政治に限らず、調子の良いところが時々ある。狂牛病のときも、「あれはカナダ産だった。」といち早く反論。他にもご都合主義の例をいくらでもあげることが出来る

– リーダーシップは取るけれど時間が経つと忘れている
– トラブルになると聞く耳を持たない
– 自分にとって都合の悪いメールには無しのつぶて
などなど。同感のところはありませんか?

 謙虚さを伴ったグローバルイニシアチブをとって行くことが、日本流のリーダーシップではないだろうか。やはり武士道は大切である。小説なので実物は異なるようだが、『壬生義士伝』の吉村貫一朗、涙します。こんな首相はいないものか。