セカンドライフ、サードライフ。いくつも人生がやり直せるようになった。
リンデンラボのセカンドライフ、入ってみましたか?(もう潰れていますが)
RMTで、お金のやり取りもできるので、ほぼ現実の世界と変わらない。ゲームの世界もそうだが、いわゆる「ハマる」と、現実と仮想空間の区別がわからなくなる。怖いし、ハマっている人をみると気持ち悪い。実際、仮想の世界を現実と混在させて、自分を救っている人も多い。現実の世界では達成できないかわりの代償行動(substitute behavior)であり、仮想世界に身をおいて投影(projection)する心理学でいう防衛機制の1つだ。
私自身は、そもそも画面の動きについていくこと自体に脳が反応しきれなくて、酔ってしまう。ああ、気持ち悪い。慣れてしまうことも恐ろしいので、無理して続けないことにした。
あるパーティで書いてもらった似顔絵。これもある意味で仮想の世界だ。描いてくれた人は、プロの似顔絵師のMさん。全米似顔絵コンテストで3位の素晴らしい人だ。私の似顔絵だと素材がよくないのであまり面白くないが、他の人が描いてもらったものを見ると、見事に特長を捉えている。
人財育成の世界において、永遠のテーマといってもおかしくないのが、研修の効果測定である。色々な人が研究を続け、その効果を明示的に証明しようと努力してきた。研修の狙いも色々あって、モチベーション向上や資格取得など様々だが、ビジネスの世界においてはやはりROI、企業にどのような利益をもたらしたかであろう。
一流の研修講師が本音を話していた。
– 「講師と研修の評価は、研修が終わったときに受講者がどの程度その気になっているかなんですよ。」
– 「リーダーシップの研修が終わったときに、自分はリーダーになれると思ってもらえれば、アンケートの評価も高いのです。」
– 「でも実際、1週間も経てば、すっかり忘れてしまって、リーダーどころか足を引っ張っている人もいます。」
「犬も木に登る」とはこのことか。
映画館でアクション映画を見たとき、自分はヒーローになって、世の中に怖いものはなく、正義心のかたまりとなる。またまた、ラブロマンスを見た後に、となりの恋人と永遠に自己犠牲の愛が続くと錯覚する。
しかし、1時間もすれば現実に立ち戻り、スーパーマンのように空を飛べると夢見ることもないし、恋人とも喧嘩が始まる。
研修は仮想の世界では困る。しばらくの間その気になるだけでは効果は無い。このような研修にコストをかけている企業がどのぐらいあるだろう。学んだことの定着は、全て本人の姿勢である。ここに「学習」と「研修」の違いがあると私は思う。「自ら目的を持って学ぶ」これこそが、仮想の世界で終わらないための大切な要素なのだ。