東北の復興工事が随分遅れていると言われています。
予算制度の障壁、地元利権との調整、被災した土地や企業の計画遅延など、簡単に前へ進めない状況があることはよくわかります。
ただ、情けないのは、東京を含め、被災地以外の地域では、平然と工事が行われていることです。しかも誰が見ても今日・明日に実施しなければならない工事は少なく、予算消化のためなのか、とても理解できません。
このような非常事態こそ、総理がリーダーシップを発揮し、困っている人々を助けるべきと考えます。通常のオペレーションをするだけであれば、リーダーシップは不要で、マニュアルがあればいいのです。素人考えですが、下記のような意思決定は取れないのでしょうか?
– ライフラインと安全保障に関わる工事以外は全て一旦凍結
– 凍結された工事のキャンセル料や変更費用を試算
– 多少費用増が発生しても、できる限り、被災地復興工事に振替
– 凍結できない工事の優先順位づけ
– 凍結された予算の審議と次年度以降優先順位への反映
ダム建設や、築地市場の移転計画、その他遅延が発生している計画は沢山あるのですから、少しぐらい遅れても我慢できる意思決定は山ほどあります。
まだ仮設住宅で困っている人、移転問題で悩んでいる人が沢山います。まずは日本の全ての英知とパワーを被災地復興に振り向け、通常のスピード以上で改善していくべきです。計画を変更するのですから、関連計画は狂い、効率や生産性は落ちます。しかしこれが痛みを伴う復旧ではないでしょうか。
「予算制度はそんなに簡単ではない。」、「慎重に議論していかなければならない。」などの言葉はリーダーから期待しておらず、長期的な展望と人の痛みを理解し、リーダーしかできない意思決定していくことを切に望みます。
P.S.
この思い、野田首相を批判しているのではありません。むしろ真面目でひたむきな姿勢は評価できます。自分および自党のこと、選挙の雲行きしか考えない議員より、よっぽどマシ。誰が首相になっても大きく変われないのであれば、むしろ真面目な方にリードしてもらった方が安心です。この非常事態を強いリーダーシップで乗り切り、次に国際社会への問いかけや参画・貢献を行なっていけば、必ず各国から一目置かれます。