オリンピックの東京誘致が失敗に終わりました。前回のオリンピック開催国が同じアジアの北京だったので、可能性は低いと思っていましたが、印象的だったのが深夜のNHKニュースです。リオデジャネイロに決定後のニュースを見ていたのですが、東京の落選は詳細に語るものの、開催地がどこになったかについて触れていませんでした。小さなことかもしれませんが、オリンピック開催国がどこに決定したかというより、東京がどうだったのかという意識に偏ったコメントだなあと感じたのは私だけでしょうか?
第一党を獲得した鳩山政権、鳩山内閣は、ぜひグローバルな目線で動いていって欲しいと思います。これまでのところは合格点でしょう。
これまでの自民党の政治は、常に内向き政治。派閥、勢力争い、次の選挙、目線が矮小なところで終わっていました。世界から尊敬される政治とは大きくかけ離れていました。鳩山内閣もグローバルな世界においてリーダーシップをとっていくためには、いくつものハードルがありますが、井の中の蛙状態になっていないと思われます。
鳩山内閣に期待したいところは、次の3点です。
– どんどん海外に出て行って発言し、日本の存在感と主張を知らしめること
– 環境政策で世界をリードしていくこと
– アジアの経済圏をまとめていくこと
まだまだ少ないと思いますが、鳩山首相も早速渡米したり、東京オリンピック招致のためにコペンハーゲンへ出向くなど、とても積極的です。他の首脳陣を含め、海外の政治家やリーダーともっとコミュニケーションし、日本の考えを伝えていくべきです。次の選挙のことしか頭にない、矮小政治家ではいけません。経済領域での存在感がどんどん小さくなる中、しっかりと自国を主張していかないと、世界から蚊帳の外に追い出されてしまいます。
京都議定書は「京都」という国際ブランドによって、大きな存在感を示しています。せっかく大きな話題を呼んだにもかかわらず、ポスト京都議定書ではリーダーシップが取れている状態ではありません。技術的にも先端を走っている日本ですから、世界への貢献度と大きくアピールできるはずです。鳩山首相の25%削減発言は大きな反響を呼びました。戦略的に環境政策を推進することにより、海外からも認められるリーダーとなることを目標にすべきです。
中国の存在感が日々、大きくなってきています。人民元の国際化が強く意識されているようですが、巨大国中国は戦略的に存在感を出し始めました。ECから共通通貨ユーロが生み出されたように、アジア経済圏での共通通貨が機能すると、大きなメリットがあります。日本は今、リーダシップを発揮すべきタイミングです。国力が低下しているとはいえ、まだ経済力は十分ですし、円のドルやユーロとの互換性は抜群です。「東アジア共同体」構想を唱えていますが、アジア統一通貨、そしてアジア経済圏での貿易加速に貢献できれば、21世紀も日本は世界経済をリードできることでしょう。
人財の確保、育成関連はこれからと思いますが、早速「緊急雇用対策本部」が設置されました。個人的な意見ですが、日本の失業率は健康的な水準だと思います。ばら撒き的な雇用調整助成金や教育補助にお金を遣うのではなく、戦略的な尖った人財育成を意識して欲しいと思います。
– 日本は、イノベーションが足りません
– 日本は、グローバル人財が足りません
– 日本は、失敗が足りません
この3点を支援する人財育成投資を期待します。