「解決策と楽観思考2」 – なんとかなるやろ2 –

 エンジニア時代、ある大学の研究ネットワークを構築していました。国立の女子大で、博士の集団でした。インターネット一歩前の世代でトークンリングLANという今となっては特殊なネットワークです。キャンパス内と研究棟の中を巨大なリングが通っている感じです。

 ところが本番カットオーバー間近になって、ネットワークが停止します。発生はいつも深夜。朝方に担当の先生から「ネットワークが繋がらない」と連絡が入り、再度立ち上げを繰り返す毎日。ところが正常に稼動している日もあるので、問題はより複雑でした。

 カットオーバーは日に日に近づいてきます。もう予定どおりの本番は、諦めざるを得ないかと考えていました。おっとりした先生方ばかりなので、怒られることはありませんでしたが、とても心配そうな顔をしています。研究機器に巨大な電子レンジのようなものがあり、電磁波が発生するので、この機器が原因ではないかと検証したり、色々協力もしていただきました。

 記録を見ると、いつも深夜に発生しているので、覚悟を決めてコンピュータールームで徹夜で監視することにしました。ところが何泊しても、ネットワークは正常です。もう大丈夫だろうと家に帰ると、次の日には異常が発生しています。責任感は強い方なので、寝不足と精神的なプレッシャーで心身共にボロボロになりました。なんとか問題解決しようと、コンピュータールームにある分厚い英語のマニュアルを持ち帰り、毎晩読んでいました。

 推理ドラマのような状況展開でしたが、状況証拠を整理し、とうとう原因を突き止めました。恥ずかしい話ですが、悪者は温度で、当時最新式の自動運転装置は、冷却装置まで深夜に停止しており、停止後1時間近辺でネットワークエラーが発生していました。エコ運転が災いした事件でした。夏でしたが、涼しい夜はエラーが発生せず、また、人が泊り込んだり、遅くまで仕事をした時にはエアコンが稼動していたため、問題は発生しませんでした。

 今では、図太い性格になってしまいましたが、当時は、思いつめる毎日。その大学へ入るとき、出るとき「なんとかなるやろ」とつぶやくことが精一杯です。あの時ほど、諦めは禁物ということを肌で学びました。

 極限状況のとき、「自分は関係ない」という態度をとる人や、「だからこんなネットワークを選択しない方が良かった」という、後ろ向きな意味のない発言しかしない人、人間模様が見えました。

 いかなる時でも、「なんとかなるやろ」と前向きに、諦めないで問題解決に取り組みたいものです。

 P.S. 
興味が出てきたので、Blue Zoneの書籍を購入しました。

「解決策と楽観思考1」 – なんとかなるやろ1 –

 「なんとかなるやろ」、好きな言葉です。

 
 この言葉の背景には、困難に直面している、または無理難題が山積みという状況が前提としてあります。

 好きな理由は、この言葉には2つの含蓄があるからです。

 1つ目は、「解決策が潜んでいる」という自信、漠とした信念です。難しい問題や課題にも必ず「仮の答え」はあります。「仮の答え」は全てを解決するわけではなく、部分解かもしれません。正しい解決策でない可能性もあります。ただし、この「仮の答え」を見つける意思、考える力は大切です。

 2つ目は、困難な状況に遭遇しても、へこたれない楽観的な気持ちです。生命の危機が迫っているのに、笑っていることもできないと思いますが、くよくよと悪い結果ばかり想像していても、良いことはありません。

 現実、ポジティブ思考の営業マンの成績は、ネガティブ思考の営業マンより70%も成績が良いという統計が出ています。世界一の長寿地域である沖縄。くよくよせず、笑顔が一杯ですね。笑いながらなんとかしていきましょう!ちなみに長寿地域のことを「ブルーゾーン」と言うそうです。何故「ブルーゾーン」と言うのか?謎のようですが、長寿研究をした人が書いた著書がこのタイトルであったらしく、その人が最初に研究として訪ねた地域が沖縄。きっと青い海が広がっていたのでしょう。

 これからは「青」を基調色としよう。